10月2日

 neuropsychology……150年ぐらい前からスタート。

脳損傷と高次脳機能(言語、認知、記憶、行為、情動など)との関係を調べる。
 病巣と臨床像(clinical picture)との対応

脳の特定部位と機能との関係
→重度の場合
 全体的な機能低下におちいる場合がある(→神経心理学の対象として望ましくない)
→選択的機能低下(純粋型症例pure case)
 病巣と臨床像との対応ができる

 始まり……1864年(仏)外科医P.Brocaの運動失語(理解できるが話せない)
 neurology神経学、psychiatry精神医学、として研究されてきた→brain pathology大脳病理学
→二度の世界大戦
 多くの脳損傷例、銃創例missile wounds→local lesion局所性の病変ができる。
 検査をする、つくる。リハビリ ←paramedicalな領域の参加、心理学者など

 銃創例では、pure caseが多くできた(現代の兵器に比べて威力が劣る)
→いくつかの問題点
・サンプリングミス(兵士(若い男性)に偏る)→脳の性差の問題
・後頭葉内側下部の症例がほとんどない(脳幹に近いので、銃創例ではそのまま死んでしまう→視覚性失認があまり見られず、そんなものはないとすら思われてきた)
→現在は、銃創例よりも、脳血管障害による研究が主流。例えば、視覚性失認は、後大脳動脈の梗塞による後頭葉内側下部が責任病巣

 脳損傷brain damage, injury(正確な医学用語では、頭蓋内疾患intracranial disease)

 その病因etiology→様々
・頭蓋内腫瘍intracranial neoplasm(一般的には、脳腫瘍brain tumor)
             ↑新生物のこと(がん)
・血管性疾患vascular disease
 脳血管発作cerebrovascular accident→CVA
    卒中stroke, appoplexia
・頭蓋内感染症intracranial infection
・脳外傷cerebral trauma
・中毒性障害introxication
 一酸化炭素、鉛、カドミウム、アルコール、必ずしも当てはまらないが環境ホルモン
・退行変性疾患degenerative disease

 脳の構成

・neuronニューロン
 他の細胞と違う点 形体上の問題――細胞体cell bodyから突起(樹状突起dendrite(受信部)、軸策axon(送信部))が出ている
          母胎内にいる時に、ほとんど分裂、増殖してしまう
           →脳の成長は、突起がどんどん伸びていくので重量が増えている
            →ニューロンの脳腫瘍はあり得ない

・glia cellグリア細胞、神経膠細胞(しんけいこうさいぼう、脳を固める)
 →異常分裂し得る→切除 glioma神経膠腫
   グリアの種類
  oligodendoroglia乏突起グリア(突起がない)→oligodendoroglioma
  astrocyte星状膠細胞(星型をしている)→astrocytoma星細胞腫
  gliobrastoma多形性膠芽腫(極めて悪性で、増殖スピードが速い。blastomaが見つかると、極端な場合半球切除hemispherectomyを行う)

・血管→血管腫(hem)angioma
・髄膜meninge→骨膜腫menigeoma
  硬膜dura mata
  クモ膜archivoide(血管が非常に多く、クモの巣状に見える)
  軟膜pia mata

 脳損傷

・脳腫瘍とは、space occupational disease占拠性病変になる。
 びっしり詰まっている細胞の中に、よけいなもの(腫瘍)ができる→圧迫→腫瘍のところのみならず、遠くの場所も機能を失っている場合がある(remote effect遠隔効果。ただし、これは回復)

・CVA(cerebro vascular accident脳血管発作)
 昔は、脳卒中=脳溢血、脳出血であった。
→現在、原因は二通り
 ・出血性hemorrhagic stroke……昼間活動している時におこる。原因の1/4。血液が流れ出て血腫ができ、圧迫→血腫をとれば機能回復。  hemorrhage=出血
 ・閉塞性occlusive stroke……酸素が行かず、細胞壊死→水分が出て脳軟化症→細胞が死んでから症状がおこるため、朝起きるとどうにかなっていた、という場合も少なくない。回復はあまりない。原因の3/4。
※閉塞性でも、出血性梗塞のような状態もある。

 出血性の脳血管発作……脳出血(頭蓋内出血intracranial hemorrhage) 出血の原因
・高血圧、動脈硬化
・動静脈奇形anteriovenous malformation(AVM)
 動脈と静脈が毛細血管を介さないで、太い段階で結びついている、先天性の奇形
→静脈は弾力があるので、のびてしまう
→段々丸まり、思春期頃(20歳ぐらい)に出血
・動脈瘤の破裂aneurysm血管壁に先天的に弱い部分がある→のびて、ゆくゆくは破裂
・頭部外傷
・脳腫瘍
→血腫hematomaが組織を圧迫して機能障害をおこす