【臨床心理・神経心理検査】の医科診療点数
最新は平成16年改定のものである。【臨床心理・神経心理検査】は、Dの【検査】の項目に入っている。現在のところ、臨床心理士を始めとする心理技術員が保険点数を請求することはできない。後述するように、医師が自ら検査及び結果処理を行った場合で、かつ分析結果をカルテに記載した場合のみに請求することができる。
D-283 発達及び知能検査
D-284 人格検査
D-285 その他の心理検査
(1)検査を行うに当たっては、個別検査用として標準化され、かつ、確立された検査方法により行う。
(2)区分には三区分ある。
「操作が容易なもの」……検査及び結果処理に概ね40分以上を要するもので80点。
「操作が複雑なもの」……検査及び結果処理に概ね1時間以上を要するもので280点。
「操作と処理が極めて複雑なもの」……検査及び結果処理に1時間30分以上要するもので450点。
なお、臨床心理・神経心理検査は、医師が自ら検査及び結果処理を行った場合にのみ算定し、診療録に分析結果を記載する。
(3)改定長谷川式簡易知能評価スケール、国立精研式痴呆スクリーニングテストの費用は基本診療料に含まれており、別途算定できない。
操作が容易なもの | 操作が複雑なもの | 操作と処理が極めて複雑なもの | |
発達及び 知能検査 |
・津守式乳幼児精神発達検査 ・牛島乳幼児簡易検査 ・日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査 ・遠城寺式乳幼児分析的発達検査 ・JDDSTデンバー式発達スクリーニング JPDQ(第1次間接法3か月-6歳) ・DAMグッドイナフ人物画知能検査 ・フロスティッグ視知覚発達検査(DTVP) ・脳研式知能検査 ・コース立方体組み合わせテスト ・レーヴン色彩マトリックス |
・MCCベビーテスト ・PBTピクチュア・ブロック知能検査 ・新版K式発達検査 ・WPPSI知能診断検査 ・田中ビネー知能検査X ・全訂版田中ビネー知能検査 ・鈴木ビネー式知能検査 ・WISC-V知能検査 ・WAIS-R成人知能検査 ・大脇式盲人用知能検査 |
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人格検査 | ・パーソナリティーインベントリー ・モーズレイ性格検査 ・Y-G矢田部ギルフォード性格検査 ・新版TEG東大式エゴグラム |
・バウムテスト ・SCT ・P-Fスタディ ・MMPI ・TPI ・EPPS性格検査 ・16P-F人格検査 ・描画テスト(HTP) ・ゾンディーテスト ・PILテスト |
・ロ−ルシャッハテスト ・TAT絵画統覚検査(早大版) ・CAT絵画幼児児童用(早大版) ・TAT-MF(精研式) ・TAT-BG(精研式) |
その他の 心理検査 |
・CAS不安測定検査 ・SDSうつ性自己評価尺度 ・CES-Dうつ病自己評価尺度 ・STAI状態・特性不安検査 ・POMS ・TK式診断的新親子関係検査 ・CMI健康調査票 ・GHQ精神健康評価表 ・MAS不安尺度 ・ブルドン抹消検査 ・ベンダーゲシュタルトテスト ・MEDE多面的初期痴呆判定検査 |
・ベントン視覚記銘検査 ・内田クレペリン精神検査 ・三宅式記銘力検査 ・CLAC-U |
・ITPA ・CLAC-V ・標準失語症検査 ・WAB失語症検査 ・老研版失語症検査 |
定義は定義であるが、この中で、区分通りの時間以内で、施行、採点、所見を書けるものは、皆無に等しい。
また、複雑ではないものが複雑に分類されていたり、極めて複雑なものが複雑に分類されていたり、分類基準がさっぱりわからない。